第7章 【真紅の暴君】後編

ユウ
「暴走してるなら、なんとかして止めないと！」


トレイ
「ああ。このまま魔力を放出し続ければ、リドル自身の命も危ない」


グリム/ユウ
「命ぃぃぃ！！？？」


トレイ先輩の言葉に、私は目を見開いて驚愕した。


オーバーブロットって、そんな危険な状態なの！！？？


クロウリー
「とにかく、生徒の命が最優先事項です。他の寮生は私が避難させましょう。ローズハートくんの魔力が尽きる前に正気に戻さねば……命を失うことも最悪ですが、さらに最悪なのは……」


嘆くように俯いた後、学園長は顔を上げて私達の顔を見回す。


クロウリー
「とにかく、君たちは他の教員と寮長たちに応援を要請して……」


エース
「だらあああ！くらえ！！！」


ビュルルル！


学園長が言い終わる前に、エースはマジカルペンを振っていた。


「「「ええ〜っ！？」」」


デュース
「いでよ！大釜！」


ドガシャン！


ユウ
「グリム！」


私が呼ぶと、グリムが私の肩に飛び乗る。


グリム
「ふなﾞ〜〜〜〜〜〜〜っ！！」


ボウッ！


エース達の攻撃を受け、リドル寮長はギロリとこちらを睨んだ。


リドル
「……貴様ら、何のつもりだ？」


ケイト
「ちょちょちょちょちょ、お前ら何やってんの！？」


私達は、リドル寮長を見つめたまま答える。


ユウ
「リドル寮長を止めます！！」


グリム
「アイツ、あのままじゃ大変なことになっちまうんだゾ！？」


デュース
「さすがに、そこまでいくと寝覚めが悪い。それに……」


エース
「まだ『ボクが間違ってました。ごめんなさい』って言わせてねーし！」


トレイ
「………お前たち……」


トレイ先輩は、私達とリドル寮長を交互に見た後、覚悟を決めたように頷いた。


トレイ
「わかった！少しの時間なら、俺がリドルの魔法を上書きできる。その間に、頼む！」


デュース/ユウ
「はい！」


グリム
「任せるんだゾ！」


トレイ先輩が、学園長を振り返る。


トレイ
「学園長、寮生たちの避難を頼みます」