銀の鳥に幸せのトリガーを....【ワールドトリガー】
第8章 ブラックトリガー争奪戦
【嵐山さん。それ以上は言わないでください。】
サイドエフェクトで嵐山が何を言うか悟ったのか海影は直ぐ様通信でそれ以上の言葉を言わせないように阻止する。
「海影...」
【そんな話、しても面白くないですよ。
それに私は薄情なことにあの日のことはあまり覚えていないんです。
追求されても面倒ですので言わないでください。】
そう冷たくあしらう海影。
「わかった。これ以上はやめておこう。」
チラリと横目で出水を見た嵐山はそれ以上は何も話さなかった。
【そうしていただけるとありがたいです。】
プツ。と音がして通信が切れたのを確認すると、嵐山は再び驚いた表情をしている三輪に向き直る。
「とにかく、海影も迅も親しい人を失う辛さはよくわかってるはずだ。ネイバーの危険さも大事な人を失う辛さもわかった上で迅には迅の、海影には海影の考えがあると俺は思うぞ?」
そう言い終わると嵐山はにっこりと笑う。
三輪はふと迅から言われた「おれはおまえらが心配なんだ」という言葉と海影の張り付いたような笑顔を思い出すとギリッ。と悔しそうに歯軋りして、拳を壁に叩きつけたのだった。
それから戦いを終えた海影と迅は本部へと向かった。