第9章 善意の横槍
空港の中へ入り、零くんや、先生お抱えの患者さん達とカウンセリング中に食べるお菓子を物色しつつ……自分の物もちゃっかり買い物して……
搭乗手続きを済ませ、ラウンジで時間を潰していると、備え付けのテレビで流れていた番組が、臨時ニュースのような内容に切り替わった事に気付く。
英語があまり分からないなりに画面を眺めていると、どうも例の連続テロ犯が逮捕されたニュースに見えてくる。先生も気付いたようだ。
「お、のおかげて捕まったみたいだぞ」
「やっぱりそうですよね!?よかった……アメリカまで来た意味、あったー……」
「だな」
「やっぱり誰かの役に立つのっていいです。最初は迷ったけど来てよかった……赤井さんとなんて絶対仕事したくないって思ってたけど結局いい人だったし」
「でもはジェイムズさんのが好みなんだろ?」
「そりゃジェイムズさんは素敵ですけど好みって言うには失礼なくらい歳が違うし……今となっては赤井さんがめちゃくちゃイイ男に思えます」
「だが一番は降谷さん、だろ?」
「もちろんですよ」
零くんの笑ってる顔が頭に浮かび、無性に早く会いたくなってきて。搭乗前の待ち時間をソワソワしながら過ごした。
時間になり、私達の乗った飛行機は空港を予定通りに離陸し、また半日近くかけて予定通りに東京へ戻ってきた。