3年滅組、それは問題児の集まるクラスでした。/ 鬼滅の刃
第3章 昼休憩
不死川くんはおはぎ好きの甘党で隠れスイーツ男子、不死川くんはおはぎ好きの甘党で隠れスイーツ男子………まるで呪文のように何度も繰り返して脳に記憶させる。不死川くんの貴重な新情報だ。家に帰ったら滅組ノートに書き加えなきゃ。
「ふっ、先生、声に出ているぞ……!」
「え?」
「………不死川はおはぎ好きの甘党で隠れスイーツ男子………いい代名詞だ。俺も使わせてもらおう」
煉獄くんの指摘でハッと口を塞ぐも時既に遅し。冨岡くんが完璧に復唱してしまった。しかもムフフ顔で。恐る恐る不死川くんを見やれば、鬼の形相でゆらりゆらりと近付いてくる。
「いい代名詞をつけてくれたお礼をしないとなァ。先生よォ………」
まずい。おっかない。次の攻撃対象は私だ。いや待って。喧嘩を止めに来たのに喧嘩売られるってどういうこと?これ教師の威厳皆無なんじゃ……?
「し、不死川くん落ち着いて……!」
カツン、と一歩後ずさるヒールの音がよく響く。
「覚悟決めろォ……今から抱き潰してやる」
「いや待てって。最初にを抱くのは俺だろ?」
「ちょ、不死川くんも宇髄くんも公衆の面前でそんなこと言わないの……!」
「………抱き潰す?待て不死川、抱擁するというのに潰してしまっては意味がないだろう」
違うから冨岡くん!今のはそういう意味じゃないから!どこまで天然なの!もう冨岡くんのページには天然の文字を書き加えることに決めた!
その時、タイミングよく鐘が鳴った。
「あ、ああ残念!もうこんな時間!先生数学の準備しに職員室に戻らないと!それじゃあ妓夫太郎くん継国くん、喧嘩は程々に!またね!」
「………不死川、やはり俺は潰すのには反対だ。が可哀想だと思わないのか」
「いつまで言ってやがるクソが!いいからそこ退けェ!」
「さあみんな、昼休憩はおしまいだ!教室に戻るぞ!」
その場からそそくさと逃げる最中、背中の向こうで煉獄くんがみんなを纏めてくれる声が聞こえた。ああ、さすが学級委員長。私なんかより全然頼りになります。