第3章 激闘の初任務
「戻せます」
「本当ですか!?教えて下さい!」
案の定、炭治郎がオーバーリアクションをしてしまい、愈史郎に投げ飛ばされた。
「炭治郎……こうなるから、言葉に気を付けなって言ってんのに……」
花怜はそんな炭治郎を見て、ため息を吐いた。
「ただ、今の時点では鬼を人に戻すことはできない。ですが、私達は必ずその治療法を確立させたいと思っています。治療薬を作るにはたくさんの鬼の血を調べる必要がある。あなた方にはお願いしたいことが二つ……」
珠世の話に花怜と炭治郎、淳一は息を飲んだ。
「一つ、妹さんと先生の血を調べさせてほしい」
淳一は珠世の話に身を震わせた。もしかして、採血が苦手なのだろうか。
「二つ、出来る限り鬼舞辻の血が濃い鬼からも血液を採取して来てほしい」
それはとても難しいことであり、リスクが大きい。死ぬこともあり得る。
「禰豆子さんと佐藤さんは、極めて稀で特殊な状態です。佐藤さんは数ヶ月絶食状態であり、禰豆子さんは二年間眠り続けて体を変化させています」
花怜と炭治郎は、淳一の膝を枕にして寝転がっている禰豆子を見た。