第3章 激闘の初任務
愈史郎に付いて行き、森の中にそびえ立つ屋敷に辿り着いた。中に入ると、珠世が待っていた。
「私は珠世、彼は愈史郎と申します。呼び出してすみません」
「私は松田花怜で、あちらは佐藤淳一です。彼のことは先生とお呼び下さい」
「俺は竈門炭治郎で、こっちは妹の禰豆子です。よろしくお願いします。あの……相談とか聞いてもらえませんか?」
炭治郎が申し訳なさそうに聞いた。相談の内容も花怜には分かり切っている。
「もちろんです。ここではなんですので、あちらの部屋で話しましょう」
珠世に案内され、花怜達は畳の上に腰を掛けた。
「私は鬼舞辻の呪いを解き、少量の血だけで生き永えられています。愈史郎は私が鬼にしました」
「えっ!?……なっ!?」
オーバーリアクションをする炭治郎を花怜が頭に手刀を入れて抑えた。
「炭治郎くん、口の聞き方が悪いですよ」
「花怜!すみませんでした!」
花怜に叱られ、炭治郎は身を震わせ、正座をし直した。淳一はその様子にクスクスと笑っている。
「本題に入ってもよろしいでしょうか?」
「もちろんです。お聞かせ下さい」
花怜が聞くと、珠世は優しく頷いた。
「どうやったら、鬼を人間に戻せるのでしょうか?」