第5章 Aiba.
気づいたら泣いてた。
ベランダで、コーヒーを飲みながら
夜空を見上げてた私。
昔を思い出すといつもこう。
だめだ
私は相当の弱虫らしい。
「…ただいまあ。」
「おかえりい」
涙を拭うと、帰って来た彼が
私をふわりと抱きしめた
「今日も疲れたよー。
撮影が長くってさー」
泣いてるのに、気づいてないのか
わざとなのか。
彼はふう、とため息。
「愛里ちゃん、また彼の事で泣いてた?」
悲しそうなその声に、
きっと表情も泣きそうなのだろうかと
私はまた涙ぐんでしまった。
なんで相葉くんの前だと
こんなに素直に感情を出せるのだろうか