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千分の一話噺

第287章 俺とあいつ⑱・場違い…


「今日こそ、ダイアモンドかな?」
「ふざけんな!
んなもん買える訳ねぇだろ」
こいつは毎年毎年、誕生日ってぇとダイアモンドダイアモンドって吐かしやがる。
安月給の俺にダイアなんて買えるかってぇの!

まぁ自分でもちょっと情けないとは思うが、今年も食事に行くぐらいだ。
「え~っ、ダイアモンド欲しいぞ」
「バカヤロー、くれるんなら俺だって欲しいわ」
「我が儘だなぁ君は…」
「てめぇ、おちょくんも大概にしろよ」
「あっ怒った?
怒った君は良い顔してるぞ」
「…もういい
ほら行くぞ、せっかく予約したんだから…」
俺にしてみれば、かなり奮発したレストラン。
「ふぅ~ん、君にしてはセンスあるね」
「お前が褒めるなんて珍しいな」
「だっていつも居酒屋みたいな店ばっかりじゃん」
「俺はお前と違って貧乏なんだよ」
「えへへ、別に店なんてどこでも良いんだよ…
君と一緒ならね♪」
こんな台詞を言われると俺は何も言い返す事が出来ない。
しかも有無を言わせない笑顔をしやがって…。
「うだうだ言ってねぇで行くぞ」
「君…この店でその言葉遣いは無いよ」



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