第286章 50/50
『私が何故、短編ばかり書いているのか?』
ふっ、くだらん。
よく聞かれる在り来りな質問だが答えてやろう。
二十代の頃に星新一氏にハマったのが始まりだ。
『ショート・ショートの神様』とまで云われ、生涯千本以上の作品を残した偉大な作家だ。
読んだ人間も多いのはずに、何故かそれを表に出そうとする人間は少ない。
しかし、私は声を大にして言おう。
「立て!星ファンよ!」
短編の何が悪い。
ダラダラと尤もらしい事を長ったらしく書けば良いと言うものではない。
簡素な文章の中にも創意工夫を尽くして、読む者を引き込む。
「圧倒的じゃないか」
私の書く話は星氏の影響をモロに受けているのだ。
世の中には、便利な言葉がある。
『パロディ』だとか『リスペクト』だとか『オマージュ』だとか…。
だが、しかしっ!
「敢えて言おう!
パクリであるとっ!」
そう、よく登場人物をアルファベットで表記するのは最たる証拠、そのままである。
星氏のファンであるが故の拘りと捉えて頂いて構わない。
「私は誇りを持って書いている、それは…
短編だからさ!」
end