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千分の一話噺

第515章 小さな怪獣


車は転がされ、家は倒され、まるで怪獣が通った後みたいだ。


ちょっと目を離した隙に見事に散らかしてくれた。
「こらっ直人!オモチャ片付けなさい!」
「わぁ~、ママゴンが吠えたぁ~!」
さっきまで大人しく遊んでたのに、飽きっぽいと言うか?誰に似たのやら?…。
「ママは怪獣じゃないの!
ほら、片付けないとオヤツ抜きよ」
「は~い」
オヤツを目の前にして、素直に片付けだした。

オヤツを食べて、その後はすぐにまたオモチャを散らかす様に遊びだす。
「また、散らかして!
遊ばないオモチャは片付けなさい」
「後で遊ぶんだから良いの!」
本当に誰に似たのやら?…。
こんな調子でパパが帰ってくるまで散らかし放題。

「ただいま!」
「パパ~!遊んで!」
まだ遊び足りないようだ。
「ご飯が先よ
オモチャ片付けなさい!」
「えぇ~、パパと遊ぶ!」
「ご飯食べたら遊ぼうな」
パパが一緒にオモチャを片付け、やっと夕飯になった。

「ちょっとパパ、そんなに食べ散らかさないでよ」
「後で綺麗にするから…」
どこかで聞いた台詞だ。
「直人が真似するでしょ!
直人がオモチャ散らかすのはパパのせいよ」
パパは苦笑いしながら…。
「…ちゃんと食べます」
と頭を掻いた。

直人は遊び疲れたのか?夕飯を食べ終わるとテレビを見ながら寝てしまった。
「ふぅ、あれだけ暴れれば疲れるわよね…」
「よく遊び、よく眠る…
元気に育ってる証拠だよ」
我が家の小さな怪獣は天使の様な寝顔ですやすや眠っていた。


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