• テキストサイズ

ここは私達の世界です【HUNTER×HUNTER】続番外編

第14章 迷子はダイブ








何気無い瞬間なら触れてしまえる筈なのに意識すればするほど緊張してしまって

私の手は先程から挙動不審に出たり引っ込んだりを繰り返している

手を伸ばせば直ぐに届く距離にいるのに改めて麗しの彼に触れると考えると恐れ多い気がしてじわりと手汗が滲んだ



「…………。」


「……………」



…………目が合ってしまった



彼は実に涼しく私を見下ろし不審な挙動を繰り返す手をチラリと見た後無言のまま前を向いてしまって


私は無性に気恥ずかしくなって俯いた


……私の魂胆なんて大体察しが付くだろうにそのまま放置だなんて…………


私の旦那様は意地悪な人だ……………




太陽光は暑いけれど何処からとも無く耳に爽やかな水音がして気持ちのいい風が吹く町角

道幅の狭いそこには唐突に景色を一変させる情緒溢れる水路が流れていた




「やな○水のこみち、だって。」


「水の小路………!ほんまそんな感じですねー!!」




玉石を敷き詰めた細い路地、脇を流れる水路は本当に綺麗で

キャッキャとはしゃぐ子供達は水遊びを楽しみ、それにつられる様に大人達まで足を浸けて涼んでいる


大々的な観光名所と言うよりも小ぢんまりとした雰囲気はこの水路が本当に生活の一部に溶け込んでいるのだと感じさせて

私は浅く流れる水をまじまじと眺めた





/ 341ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp