第24章 私達

そしてあっという間に大晦日が過ぎて行き、世界は新しい年を迎えた



寒い寒い冬が過ぎて気が付けば桜が綻ぶこの季節




「…………あー身体重い……」



なんて独り言をポツリと落としながらベンチへと戻れば

満開の桜の世界に艶やかな髪を揺らす美しいその横顔に胸が高鳴った

悠々と此方を見上げる彼の鼻筋や唇があまりにも端正で

まるで時が止まったみたいに緩やかに感じる束の間


「お帰り。」


私だけに紡がれた言葉が嬉しくて温かくて私は満面の笑みで返した


「ただいま！」


「しっかり食べなよ。」


「はい！あ、でも食べ過ぎたら怒られるんですよ……」


「普通に食べてる分には問題無いでしょ。」


「はい！」


「結局いつどっちだか解るの？」


「来月には！ふふふ……楽しみですね！」


「………まぁ。」








只今妊娠6ヶ月である