第4章 アルヴヘイム・オンライン
「あ、そろそろエギルさん達と合流したほうがいいんじゃない?」
「おっと、そうだな。カナ、ちょっと来てくれ」
あの後、短剣や装備を購入した後、魔法の練習などをしていたとき、唐突に言われる
「なら、飛んでいかない?その方が練習になるし。ゆっくりなら大丈夫だと思うよ」
「わかった。えっと、補助コントローラーは…」
「じゃあ私が教えてあげる。まず羽出して」
言われた通り羽を出すと、背中を触られる
「ここに仮想の骨と筋肉があると想像して、それを動かす感じで」
「こう…?」
と背中に力を入れる。パタパタと音がする
「それをもうちょっと早くしてみて」
「うん」
一旦力を抜き、再び力を入れる。先程より早く動かしていくと、なんとなくコツを掴んできた気がする。そのまま足に力を込め縦に蹴ると、飛べた。体を横向きにすると前に進む
「私ちゃんとできてる?」
「できてるよ。上手い上手い!上手だね!」
「ありがとう…」
一応GMだったんだけどなあ…と思いつつも、三人を先頭に行かせ後ろからついていく
「…あのお城って、アインクラッド…?」
「詳しいね。そうだよ」
とアスナさんが答える。どうしてこの人はこんなに優しいんだろう…私のせいであんな目に…。いや、今は楽しもう
「世界樹…?」
「の下の方に俺らの仲間の店がある。そこに呼び出されてんだ」
「へぇ…って、それなら私狩りしてるよ。私は仲間じゃないんだしさ」
と、体を縦に起こし下に向かおうとする。ガシッと腕を掴んできたのは一番先頭にいたはずの和兄だった
「え…」
「よし、このまま行くぞ」
「え?」
「了解」「おっけー」
腕をガッシリ絡まされたまま、世界樹に連行された私は
「えええええええええええええ!?」
と叫ぶしかなかった