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藤ヶ谷パパの娘は人気アイドル!−Season2−

第10章 ☆Story28☆ 世界を目指して…


ゆりちゃんは誰にでも、
こうして優しい言葉をかけてくれたり気遣ってくれる素敵な子だと思う。
何やかんや言っても、こうして俺の無駄話にも付き合ってくれる……。


「にしてもゆりちゃん、何で電話に出てくれたの?」

『っ何でって、藤ヶ谷さんが電話かけてきたんじゃないですか……私も
今は特にこれと言ってやることもなかったので出ない理由もないですし……』


明日もまた忙しいだろうし、こうしてホテルの部屋でゆっくりできる時間は
大事なはずなのに、出てくれたんだ……。


タイスケはゆりの何気ない優しさに思わず笑みを浮かべた。
だが同時に、憲吾のことも頭に思い浮かんだ。


もし電話かかってきた相手が三船だったら、
電話越しの彼女はどんな感じなんだろ……。
俺が知らないゆりちゃんを、アイツは知ってんのかな……
今俺がゆりちゃん独り占めしてても……アイツには……って!


なに勝手に諦めるような事言ってんだよ俺!!
俺にないものを三船が持ってるように、
俺だってアイツにないものを持ってんだ……
これで勝ったんだと思ってんじゃねぇぞ三船!
隙あれば即ゆりちゃん奪うから、文句言うんじゃねぇぞこの野郎!!


『……藤ヶ谷さん?急に黙ってどうしたんですか?
もしかして、そのまま寝落ちですか?汗
……電話、切りますy「っちょちょちょ!!起きてる起きてる!!」

『いつもに増してうるさいなぁ……!
ゆりちゃん、電話切っちゃったら?』

「ぬいぐるみ!お前は黙ってろ!!
じゃあ最後にさ!!」

『はい?』

「ついさっき、東京では流星群流れてたんだ……
星空もいつもより綺麗でさ!そっちの空はどう?」

『えぇ?
ちょっと待ってくださいね……』


ゆりは外を確認するためか少し雑音が入ってきた。


『……うーん、こっちはあまり星ないですね……』


電話越しからは少し残念そうにするゆりの声が聞こえた。
それが可愛いと思ったのは内緒でさっき撮った写真の話をした。


「そっか!ならこっちの写真送るよ、綺麗に撮れたんだ♪」

『そうなんですか?』

「うん!電話終わったら送るね♪」

『ありがとうございます。』


こうして2人は会話をし……


「んじゃ、また連絡するね♪」

『……はい、』
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