第7章 ☆Story25☆ 収束
「っ……」
「そしてグループには何より、ゆりが必要だ。
ゆりだけは、欠けてはならない存在だ。」
「っそのために、憲吾が必要……
憲吾がいることで、ゆりちゃんは普段持っている才能を
より広めることができる……ってことか……」
「あぁ……」
「っ!」_グイッ!
「っ内山くん!」
吾郎は思わず瑛二の胸ぐらを掴みあげた。
「……。」
「っまるで、憲吾が道具みたいな言い方だな……
あん時は散々俺らを邪魔のように思ってたくせに……
今度は掌返しで憲吾が必要だ……?
っざけんな……憲吾は、お前の道具じゃねぇんだよ……」
「……。」
「ただ憲吾を駒のように扱うなら、さっきの話は無しにしてくれ……
そんなことのために、俺らは試合なんてしねぇ。
わざわざアンタの力に頼んなくても、自分の夢は自分で掴み取ってみせる。
憲吾だって、そう望むはずだ……。」
「ふっ……あくまで、私は君たちにお礼をしたいと思っているんだよ?
君たちがそう思うならそう思えばいい。」
「っ……」
「だが、ゆりには彼が必要だということは、
内山くん自身もわかってるだろ?」
「っそりゃ……逆に憲吾だって、ゆりちゃんのことが……」
「私は決して、君たちが嫌いなわけじゃない。
ただ……ゆりにとって重荷になるんじゃないかと思っていた……
だが、そうではなかった……彼や君の存在があったことで、
ゆりはより輝き続けることができている……」
「っ……」
「ゆりには、君たちの存在が必要だとね……
ならば、私はバックアップをするまでだ……」
「っ……なんでアンタは、そんなにゆりちゃんのことを……
事務所の顔だからか?一番、人気があって知名度もあるからか?
グループを輝かせたいなら、ゆりちゃんだけじゃなくて
他のメンバーも同じくらい気にかけても……」
「……私はね、ゆりの放つとてつもない輝きと才能の虜になった。
4年前、偶然にもゆりとすれ違った時から……」
「……。」
「今まで、沢山のタレント達を見てきた……だが、
ゆりだけは今まで見てきた者たちとは違う、一目でわかった。」