第7章 ☆Story25☆ 収束
「なんでアンタたちふたりが……」
「……君たちは今日、大事な試合があった……だが、
今回の事件が起きてしまい君たちは棄権という形で失格……」
「っ……それが、どうしたっていうんだよ……
わざわざ、そんなことを言いにきたのかよ……」
「内山くん、
美澤さんはそのようなつもりでここに来たわけではありません。
あなた方に大切な話はあるということで伺っております。」
「っ……んだよ……」
「……実は、私の知り合いに一人、
日本プロボクシング協会にいる知人がいてね……
彼に、話を持ち込んでみようと思っている……」
「日本、プロボクシング協会……?」
「君たちに、一度きりのチャンスを与えられたらと思ってね……」
「っ!?」
「まだこれから話を持ち込むところだが、
ゆりのために君たちには迷惑をかけた。
それを償うわけでもないが、今日の結果だけで
今後の審査に影響を与えるというのもどうかと思ってね……
どのような形になるかはわからないが、
君たちには今日の分の試合をなんらかの形でやってもらう……」
「っ……芸能事務所の社長が、なんでそこまで……
ゆりちゃんに、特にメリットがあるわけでもないし……」
「……彼がゆりの想い人であることは知っている。
ゆりが初めてMiss Youを披露していたときの様子も、見ていた。
……彼が、三船くんが、
どれだけゆりにとって大きな存在なのかをね……」
「っ……」
「そして今日わかった。彼自身も、ゆりが大切な存在であり
お互い失いたくないという気持ちで繋がっているということがね……」
「っ……前は、二人にお互い関わるなって言ってたのに……」
「もちろん、公にゆりと彼に交友関係があるだけじゃなく
恋仲ということが広まるのは望ましくない。むしろ、ないほうがいい。」
「っなr「だが、」……は?」
「彼はゆりを支えてくれている。
これからゆりは、世界でも輝かせる。
他のメンバー達と共に、世界で輝かせると決めている。
これは、ゆりたちをスカウトした時から決めていたことだ。」
「っ……」