第3章 那田蜘蛛山
「あぁ、こんなご馳走を食べれるなんて
俺はなんてついてるんだ!」
『貴方は人を殺しすぎました。
終わりにしましょう』
歪んだ笑顔で叫んでいる鬼
そんな鬼を一瞬悲しい顔でみると
絢迦は技の為にかまえる
『それでは、いきますね』
「しねぇぇええええええ!!」
周辺の糸が全て絢迦に向かい
四方八方から飛んでくるがそれを
飛んで避けるとまっすぐに鬼へと向かう
『無の呼吸。奥義。鏡花水月』
その瞬間、鬼の周りには無数の刀が見える
「な、なんだこれ!?」
鬼は避けようと刀をはじくが感触がなく
深々と刺さってゆく
「触れない!なぜだ!?」
その間にも刀は意志があるかのように
どんどんと刺さってゆき
絢迦は静かに近づいてゆく
『終わりです。どうか次は
鬼になんてならないで』
刀を鞘に戻すと鬼の首はゴロリと
土の上に転がり落ちる
「ち、くし、ょ、、う、、」
心底悔しそうにこちらを睨んでいた
鬼も首元からどんどんと消えてゆき
最後はなにも残っていなかった
鬼との戦闘を終え、辺りの鬼殺隊員達を
一箇所に集め身なりを綺麗にしてゆく
『よく、頑張りましたね…
来るのが遅くなってごめんなさい…』
手を合わせていると鎹鴉が
飛びついてきた
[絢迦様!鬼ハ討伐サレマシタ!
竈門炭治郎、鬼ノ禰豆子、捕エテ
本部ニ至急集マレトノコト!]
『炭治郎君と禰豆子ちゃんが!?
善逸君と伊之助君は?』
[善逸様ハ鬼ノ毒ニ犯サレテ イマシタガ胡蝶様ニヨリ 救出サレ伊之助様モ 隠ニヨリ無事デス ]
『みんな、生きているのね…
良かった。本当に良かった』
鴉を抱き上げ抱きしめる絢迦は
一筋の涙を流し報告を受けていた