第29章 アルバーナへ
「“レインベース”の方角に砂嵐が……!!!…アイツだわ…!!!」
「大丈夫……大丈夫……」
砂嵐を見ないように顔を背ける。砂を自由自在に操れるクロコダイルと戦ってるルフィは不利だ。不利だけど、戦いのセンスはあるから…
「フンッ!!!フンッ!!!」
レインベースにあった砂嵐が完全に見えなくなった頃、私達はやっと好きなことができるようになった。私はウソップとチョッパーのおしゃべりに参加してた。話してるのはカニのがに股の由来である。
「その時だ!!おれはこう言ってやったのさ…!!!このガニ股野郎っ!!それからだな、世界中のカニがガニ股を気にし始めたのは…」
「へーー!!だから横に歩くのか!!」
「ちなみにその時後ろに飛び跳ねた奴もいるんだが…それがエビだ!!」
「へーー!!エビはじゃあカニなのか。」
「あぁ、カニだ。」
「…………うっそだぁ。」
半信半疑というか、もうほぼ疑いの目でウソップを見る。いや、生物学的にそういうことはないだろうと思うけど。
「えぇぇえ!!!?ウソなのか!!?」
「ウソじゃねぇよ!!!余計なこというなお前!!!」
私の言うことを真に受けたチョッパーが驚いてウソップに問う。チョッパーは信じやすいんだよなぁ…世界にはまだまだ知らないことがあるから、なんて言って基本知識までふっ飛ばしたらダメでしょ。絶対悪い商売とかに引っかかるタイプだろうな。その時、話してた私達の横にデカイたんこぶをつけたゾロとサンジが倒れてきた。
「うわっ、ビックリした!」
「やめなさいよくだらないっ!!!」
どうやら後ろでおなじみの喧嘩をしてた2人をナミが体裁を入れたようだ。うーん、相手が相手だからみんなも気が立ってるんだろうな。
「平気よみんな!!ルフィさんは敗けない!!!約束したじゃないっ!!私達は『アルバーナ』で待ってるって!!!」
「おめぇが1番心配そうじゃねぇか!!」
こうは言ったが、ビビの顔は汗だくで…笑顔をみせているけど、眉間によった皺は隠せてない。でも、ビビが言ってくれたからこそ私達は心配だけど信じないといけなくなった。