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異世界人の冒険

第29章 アルバーナへ


「クハハ…ハハハ…ハハハ…こりゃいい…行くぞ、店の正面門(ゲート)だ。」

「いいの?ミリオンズはまだ社長(ボス)が誰なのか知らないわ。」

「別にボスとして行くわけじゃねぇ。おれもお前もナンバーエージェント以外には顔は割れちゃいねぇんだ。クロコダイルとして店の経営者(オーナー)がてめぇの店先で起こったゴタゴタを見物するのに何の不自然がある。」

私達に背を向けて歩き出したクロコダイルを見て、ふいにビビが起き上がって階段へ走り出した。

「ビビ…?どこに……っ!!!」

動いたビビに反応してさっきまで主人であるクロコダイルを見ていたバナナワニがビビに襲いかかった。食べられた……!?いや、ビビはかろうじて壊れた階段に捕まっていた。

「何する気だビビ!!」

「この部屋に水が溢れるまでまだ時間がある!!外に助けを呼びに行くわ!!」

「そうだ…サンジが今のでくたばったとも思えねぇ!!!ビビがサンジを解放できれば…!!!」

「そうだわ、外にはチョッパーもいるんだもん。どうにかなるかも。」

ビビの判断力には惚れ惚れする。すぐにサンジを呼びに行こうとする姿勢は一般の人では真似出来ないだろう。それだけサンジを信じてくれているってことだよね。感動してると、横で凄いスピードでビビに向かっていく影が横切った

「ビビ!!!」

「ああっ!!!」

「くだらねぇマネするんじゃねぇ!!!」

ビビはクロコダイルの鉤爪に引っ張られて地面に打ち付けられた。ビビは下の瓦礫に頭を打ったらしく、気を失っている。部屋は水浸し、ワニは逃げたエサがまた戻ってきたということで歩みを早めてる。

「そんなに仲間が好きなら…揃って仲良くここで死にゃあいいだろう。じきに水は“ワニのエサ場”を埋め尽くし、この部屋を沈め始める。なんなら生意気な“Mr.プリンス”もここへ運んでやろう…死体でよけりゃあな……!!ハハ…!!!」

そう言ってドアを閉められた。とうとう密室になってしまった。悔しい…悔しいがどうすることもできなかった。クロコダイルは王下七武海で…強さなんて比べられないだろう。なんて、言い訳も見苦しいだけだろうか。

「くそォオオ!!!!」

ルフィのどうしようもない悔しさが伝わってくるような声をバックに、膝をついてた私の足が動く。向かうはバナナワニだ。ビビに向かって大きな口を開けて襲いかかっている。
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