第1章 ♥︎ ONCE ・ AGAIN ♥︎
ヘタレじゃない、の…?
恥ずかしくて出来ないんじゃないの?
色んな疑問が頭を駆け巡るうちに
翔ちゃんの柔らかな唇は離れてて。
ぽけっとしてたら、笑われた。
「かず、大丈夫か?」
「大丈夫、じゃない…」
「え?」
「…っ、かい」
「ん?なんて?」
「もぅ、一度っ!…して、お願い」
「…ふはっ、何度でも。」
俺が翔ちゃんのブレザーの
ジャケットを引っ張りながら
懇願したら、応えてくれた。
こんな翔ちゃん知らない…。
ねぇ、本当に翔ちゃんなの?
カッコよすぎて、何も考えられないよ。
ドキドキ…フワフワ…
してたら、また触れる唇同士。
「んっ、ぁ…しょ、ちゃん…っ、」
捩じ込まれる舌に、抵抗なんて出来なくて。
翔ちゃんのされるがままに。
リードされるままに。
委ねる頭と身体…。
熱を持った頭じゃ、きもちいって事しか
浮かばなくてさ。
…翔ちゃんって、キス上手かったんだ。
なんて、くだらないこと思っちゃうの。
「はっ、んっ、翔ちゃん…す、きぃっ」
「ん、俺も…」
「んぅ、ぁ…はぁっ…あ、待って!」
「うぉっ…!!」
キスに夢中になってたら、二人して
生徒会室専用の長ソファに倒れ込んだ。
……この体勢は、やばいよ。