第16章 桐皇学園高校:ハーフタイム
【梓弓の秘密】・・・好きなことよりも好きになったもの
青峰は久しぶりに木の上でのんびりしていた
木の下ではさつきが大きな声で青峰を探していたが、素知らぬ振りをして空に浮かんだ雲を眺めている
今日は海常高校に練習試合に来ていたが、梓弓が私用で休みなことをいいことに木の上でさっぼていたのだった
「ふぁ、ねむ・・・」
木の上で居眠りを始めたとき隣の弓道場で《スパンッ》と綺麗な音が聞こえてきた
見下ろしてみると、1人の少女が弓を構え矢を打っていた
凛としたその姿に青峰は感嘆の声をあげ、逆光で顔は見えないがかなりの美人だと青峰は決め付けていた
青峰からは見えないが、弓を引いていたのは梓弓だった
無心で矢を打っていた梓弓はふと木の上の人物に気がつき、よく見ると青峰だった
梓弓『青峰くん、あんなところで何してんだろ?あ~~~!!今日はここで練習試合のはず。またサボってるんだ』
梓弓は袴姿のまま慌てて青峰のところへと急ぎ、木の下で大きな声をだして青峰を呼んだ
梓弓『青峰くん!!もう練習試合の時間でしょ?降りてきて!!』
急に聞こえた梓弓の声に青峰は木から落ちそうになっていた