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【テニプリ】君の未来【中編】

第13章 3月 卒業 旅立ち













「すんません、遅れて・・・。」

今日はホワイトデー。昨日光くんに誘われてデートをすることになった。
現在9時26分、集合は9時のはずだった。

「寝坊?」

「昨日考え事しとったら・・」

「遅刻なんて珍しい。」

光くんは寝坊はたまにあるものの集合時間ギリギリには必ず場所にいる。
そんな彼が30分近くも遅刻をするなんて珍しいこともあるものだ。

予定とは違う映画を見て、今は近くのレストランで昼食を食べている。


「あっ先輩、これホワイトデーのお返しっすわ。」


小さな袋を渡されて開けてみたらキャンディがコロンといくつか出てきた。


「あめちゃん?」

「なんかお返しに意味があるらしいっすわ。マシュマロはごめんなさい、クッキーは友達でいよう。」

「あめちゃんは?」


「あめちゃんは好き。らしいすわ・・・。」


説明してくれてるだけなのに好きの言葉は直接ウチに言われたみたいに感じてつい照れてしまった。
「でも、そんな意味があったんやな。お返しもろたからって脈ありっちゅうことやないんか・・・。」

「返すほうは楽ですわ。」

「おもろいな。それ以外だとなんなんやろな・・?」

「さぁそこまでは。」



久しぶりのデートを堪能して帰る途中。周りはすでに暗くなり始めている。

「真希先輩、これあげます。」

「なに?」

昼間に貰った袋と似たような袋を渡された。

「開けてください。」

「これ・・・。」

「高校で変な虫が付かんようにです。」

袋から出てきたシンプルなデザインの指輪。

「おん・・あ、ありがと・・。」

自分の薬指にはめてサイズがピッタリだったのに驚いたが嬉しさが勝って涙が出た。

ギュッ

気付いたら光くんの腕の中。そっと背中に腕を回した。



そのあといつものように家まで送って貰った。あとからメールで聞くと、指輪はお揃いじゃなくてウチの分だけらしい。


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