【名探偵コナン】トリプルフェイスの幼馴染は最強?【BL】
第10章 キャンプへ強制参加!
普段滅多に幼馴染に対して怒ることがないせいか口調が荒くなった俺に対して申し訳なさそうに表情を暗くさせる零にもう怒ってなどいないと頭を撫でてやり、とりあえずさっきから感じる人の気配に小さく溜息を吐き出してから呼びかけると予想通りの人物の登場に笑みを深める。
『それで?此処で何やってんだ、コナン』
「…そういう蒼井さん達もこんな時間に何やってるの?」
『俺達はただの散歩。ここは山の中ってだけあって空気が澄んでるからよ』
「ふーん……。さっき犯罪がどうとかって聞こえたんだけど……蒼井さんって何者なの?」
『盗み聞きとは趣味が悪いな。…コナン。お前の目に映る俺はどう見える?』
何故ここにとお互いに腹の探り合いをするような会話を俺の一歩後ろでじっと聞いている零を一度見てから再びコナンへ向き直り、問いかけに対して問いかけ返すのは悪いと思いつつも真剣な眼差しをする彼をこちらも真剣に見下ろす。
「…正直、初めて会った時は掴み所がない人だなって思ってた。…でも初対面なはずなのにすぐに懐いた歩美達や、あの灰原でさえ蒼井さんの事を少なからず信用してる。…だからこそ僕も信じてるよ、蒼井さんは悪い人じゃないって」
『信じるってそう簡単なことじゃねえぞ?』
「うん。それでも信じてる、信じたいって思う。そうでなきゃ相手も信じてもいいって思えないでしょ?」
コナンの言葉を一つも聞き逃さないように耳を傾ければ…なるほど、零が信じるのも頷ける。
本当に小学生なのかとの疑問はまだ解決してはいないが、とりあえずは目の前の少年は信用に値すると結論づけてゆっくり近付き手を伸ばす俺を警戒するコナンに口端を上げたまま小さな頭を撫でた。
「………え…??」
『とりあえずは合格だ。お前が信じてくれるってなら俺も信じてみてやるよ』
「…蒼井さん…」
『だがこれだけは言っとく。…もし、今後お前が零の正体を知ったせいでコイツの身が危なくなったその時は…………誰であろうと容赦はしねえ…』
「ッ!?」
『っとまあ…脅しはこんぐらいにして、あんま無闇やたらに首突っ込むなよってことだ。お前のこと、大事に想ってくれてる相手も居るだろ?』
「…えっと……アハハ…っ、ま、まぁ…ね…」