【名探偵コナン】トリプルフェイスの幼馴染は最強?【BL】
第3章 ポアロの店員安室さん
『さてと、腹も満たされたしそろそろ帰るかな』
「もう帰るんですか?まだもう少し居ればいいのに…」
『そうしてもいいけどよ、あんま居座ってお前の仕事の邪魔しても悪いし』
「邪魔だなんて………僕はむしろ…」
『むしろ、何だよ』
空腹だった状態が少し満たされたことに満足して残りのアイスコーヒーをズズッと音を立てて飲み干す自分に行儀が悪いと言いたげな視線をスルーし、ふと視界に入った時計を見ると来店してから結構の時間が経っていることに気づくとおもっていたよりも長居してしまったなと幼馴染の傍はどうにも落着きすぎて困る。ま、本当に困っているわけではないのだが…深くはなくとも多少の事情を知っている自分が居ては零がボロを出すなどありえないだろうとおもってはいても念には念を入れるにこしたことはない。
そう考えた末にそろそろ帰るかと告げたのだが引き止めるような言葉と、どこか言いにくそうにする様子に零らしくないなと首を傾げて先を促すと予想を上回る返答が返ってきた。
「…………………此処に、僕の………傍に……居てほし、い……」
………………ん?……んん?????今…コイツ、何て言った?……傍に居てほしい?
そ ば に い て ほ し い !!!!!!!?
ありえない言葉を発した目の前の幼馴染にアイスコーヒー飲んでなくてよかったなとどうでもいいことを考えてしまい頭を軽く振り、とんでもない爆弾という台詞を投げてきた当の本人というと無意識に出てしまったのか恥ずかしそうに頬をほんのりと赤く染めて顔を逸らす姿が視界に映り何故かこちらまで恥ずかしくなってしまうのも無理はない。
『(おいおい…いつものポーカーフェイスはどうしたッ!?……本当に客が少なくて良かったぜ…)』
なんとも居たたまれないというか、どうにもむず痒いこの空気にどうしたものかと思案を巡らせているとカウンターの奥から近づいてくる気配に内心ホッと胸を撫でおろす。