第23章 酒は詩を釣る針
「それとも、聖くんはご褒美よりお仕置きの方が嬉しいんですか」
聖くんの瞳孔が僅かに大きくなり、潤む。
「ち……違……」
弱々しい声で、ふるふると首を左右する。
「まあそれはそれとして。命令をちゃんと聞けなかったお仕置きはしなきゃですね」
聖くんの喉仏がこくんと動いた。
期待と不安が入り交じった眼に、わたしは片頬を上げる。
「……ベッドに寝転がってください」
聖くんはわたしの顔を見ながら、ゆっくりとベッドに乗る。
ごろりと仰向けに寝た。
その頬は朱に火照り、制服越しの胸はとくとくと上下する。
わたしもベッドに上がり、聖くんに馬乗りになった。
「……ン……ッ」
聖くんは艶っぽい声を上げ、身体を攀じって顔を背ける。
黒い革製の拘束具を取り出し、輪っかを聖くんの手首に掛けた。
「あッ……」
そこから伸びる鎖をベッドの隅に取り付けていく。
ジャラジャラと音がする度、聖くんの吐息が漏れる。
手首、足首。
「……これでもう動けませんね」
聖くんの四肢の全てに輪っかを掛け、ベッドの四隅に括りつけた。