第3章 むかし
ザーッとシャワーとは違う音が聞こえてきた。
「雨か…」
窓に目を移すと大量の雨粒が窓を叩いている。
傘を持たず走って店にはいる者、傘を出し連れとはいる者…
あいつらは、どうしているだろうか。
おれがいなくて慌てているのか、既に出航しているのか…
柄にも無く不安になった。
それにしても…
3000Bとは…デカイ出費になったな。
おかげで中身はあの女と同じようにスッカラカン。
ベッドから立ち上がろうとすると、窓から強い光が入った。
続いてゴロゴロゴロという低い音が響いた。
突然の事に少し心拍数が跳ね上がる。人間の本質だ。
「雷…」
そして、タッタッタという軽い足音…
「トラファルガー…っ」
「お前っ…‼」
浴室から出てきた女が勢いよくおれのいるベッドに飛び込んできた。
「何があった…」
「ぅぁ…か、かみなり…怖い…」