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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第20章 持つべきものは高尾






『海だーーーーーっ!』



「海行ける時間あっかな?」



「オマエら目的を見失うな。オレたちは遊びではなく、合宿でここに来ているのだよ」



「へいへーい。」



分かってるよ、と不服そうに返事をした私と気のない返事をした高尾に真ちゃんは呆れて大きなため息を1つもらす。とはいえ、夏に海を見たらテンションが上がってしまうのは当たり前過ぎて抗えるものでもない。


黄瀬くんたちに話を聞いてもらった甲斐もあり、気まずかった真ちゃんとも時間が経つにつれいつも通りに戻った。


あのキスはなんだったのか、真意は今も分かりやしないが、考えても分かりそうにないと思い考えることを辞めた。



「各部屋に荷物を置いたら体育館に集合だ」



大坪さんの合図で私たちは旅館に入った。



「しっかしボロいね〜本当にここに泊まるのかよ?なんか出そうな感じ」


『ちょ、やめてよ高尾。私1人部屋なんだから』


「うるさいのだよ、オマエら」


「実は真ちゃんも怖いんだろ?」



高尾が意地悪そうにニヤリと笑ったとき、隣に気配を感じた私たちは振り返る。するとそこには顔見知りの2人が仲良く歯を磨いているところだった。



「なぜここにいるのだよっ!」



「そりゃこっちのセリフだよっ!」



真ちゃんは火神くんを指差しながら声を荒らげる。
・・・そうだ、この2人相性最悪なんだった。



『秀徳は毎年ここで一軍の合宿するのが伝統なんだって』



さり気なく2人の間に入り止めに入るが、それも虚しく2人は火花を散らす。



「それがオマエらバカンスとはいい身分なのだよ!その日焼けはなんだ!」


「バカンスじゃねぇよっ!」



山田やらせとけ、と高尾に声をかけられ朝から元気な2人を残し私たちは自室へと向かった。



そんなこんなで4泊5日の長い合宿が幕をあけた。

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