第10章 ただの幼なじみ
「げっ!」
「なっ!」
『痛っ!』
お好み焼き屋さんの入口で2人して止まるから、盛大に真ちゃんの背中に頭をぶつけた。
『もー入口で止まらないでよー。』
2人を割って店内に入ると、そこには先程負かされた誠凛御一行様がいた。
「何でオマエらここに!つか他は?」
「いやー真ちゃんが泣き崩れてる間に先輩たちとはぐれちゃって」
「おい!」
『ついでにご飯でも食べようかなーって。』
「店を変えるぞ」
『えっちょ、真ちゃん』
強引に腕を引っ張られ外に出ると、強風と大雨が私たちを襲う。
これはもうここでお好み焼きを食べるしかなさそうだ。
渋々お店に入るとすぐ様高尾は動き出した。
「もしかして、海常の笠松さん?」
わーこっちの席で話ましょーよーと誠凛さんの方へ座る笠松さんと高尾。
仕方なく笠松さんがいたところへ真ちゃんが座り、私は黒子くんと火神くんの間に椅子を置いて座ることになってしまった。
お世辞にも居心地の良いとは言えない席で、最初に口を開いたのは黒子くんだった。
「とりあえず、何か頼みませんか?」
「オレもう結構いっぱいだから、今食べてるもんじゃだけでいいっスわ」
「よくそんな***のようなものが食えるのだよ」
『もう、真ちゃん!!』
「なんでそういうこと言うんスか!?」
絶対言うと思ったよーと私は頭を抱える。
その後火神くんが呪文のように頼み、お好み焼きを焼き始めた。
「てか花子っち秀徳なんスね。学校通えてて安心したっスよー。あれからオレ結構心配してたんスよ?」
『ごめんね、もう全然普通に通えてるし、大丈夫』
「楽しそうで良かったっス。」
そう笑う黄瀬くんは、相変わらず優しい。
そしてこのルックスだ、きっと高校でもモテモテなんだろうなーなんて考えていると火神くんが不思議そうに私を見て問いかけてきた。
「1ついいか?オマエ緑間と付き合ってんの?」