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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第43章 ヘマすんなよ





『ほ、ほんとに・・・離してください、』


「言うこと聞けば痛いことはしないからさ、」


「大丈夫。お兄さんたち優しいから。」



後方に精一杯体重をかけ引っ張られる腕をどうにか振り払おうと試みるが、到底オトコの人の力に勝てる訳もなく。


・・・怖い。
こんなことになるんだったら、真ちゃんと来るべきだったと今更思ったところでもう遅い。後悔先に立たずとは、まさにこのことである。


周りにいる沢山の人たちは、私たちに気付いていないのか忙しなく過ぎ去っていく。


誰か気付いて・・・、
誰でもいいから助けて・・・・・。
零れそうな涙を必死に堪えてそう願った瞬間だった。


どんなにお願いしても離してくれなかったオトコの手が、するりと離れたのだ。




「僕のツレに何か用か?」




突如目の前に現れた救世主が誰なのか、その声と後ろ姿ですぐに分かった。



『・・・赤司っ、』


「もう、大丈夫だ。」



そのセリフも優しく笑う姿も、あの日体育館倉庫で助けてくれた赤司とまるで同じだった。小刻みに震える私の手を掴みながら、“僕から離れるなよ”と言いまた少し大きくなった背中でオトコたちから私を隠す。




「今すぐ僕たちの前から消えろ。これは命令だ。」


「は?何言ってんのコイツ。頭オカシイんじゃね?」


「ガキがかっこつけてんじゃねぇよ。」



それでも立ち去ることなく、わざとらしく吹き出しながら笑うオトコたちに赤司は続ける。




「これが最後だからよく聞け。今すぐ消えろ。これは命令だ。」



そう言い放ち、徐にポケットから取り出した護身用の小さなナイフをオトコたちに近づける。



『ちょ、赤司っ。』


「・・・僕に逆らう奴は親でも殺す。」



流石にそれを見たオトコたちは怖気付いたのか、慌てて去って行った。



「何もされていないか?」


『うん、大丈夫。ありが』


「僕が来なかったらどうするつもりだ?」



助けてくれたお礼をしようとするも、急に険しい顔つきで赤司はピシャリと怒る。答える間も与えられず、続けて言葉を並べる。



「真太郎はどうした?」



その問いに丁寧に答えれば、赤司は大きくため息を吐いた。



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