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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第36章 オレのオンナだ






『どう?きもち?』


「・・・っ、しゃべんな。」



口には入り切らない根元の部分は右手で滑らせながら、歯を立てないように舐めあげる。


最初こそ嫌がっていた真ちゃんも、悶えるような声を出しながら私の頭をわしゃわしゃと撫でてくれた。


こんなことをしているのは、実は初めてではない。初めてではないからこそ真ちゃんが気を遣って今まで避けて通ってきたのだ。




それは中学2年生の5月だった。
雨の音が響き渡る体育館倉庫の中で、私は3人の男に強姦された。いや正確に言えば、強姦未遂だった。


名前も知らない男2人に両腕を抑えられ身動きが取れない私に、もう1人の男が乱暴にシャツのボタンを引きちぎった。露になった薄いピンクの下着に手をかけるその男は、私のよく知っている人だった。



『辞めてよっ・・・・・灰崎っ、』


もちろんそれで辞めてくれる訳もなく、私の身体を一通り撫で回したあと灰崎にソレを口に入れられたのだ。


ここからの記憶はもう断片的だ。
名前も知らない男のソレを握らされたり、身体を触られたりした。


最終的に灰崎がショーツに手をかけた時、息を切らした赤司が現れて間一髪のところで私は助かったのだ。


しかしこれを機に私は不登校になった。




そんな過去があるから真ちゃんは私にソレを口でさせるどころか、手で触らせることすらも今の今まで一度もしなかったのだ。


それが素晴らしく愛されている気がして私はとても嬉しかった。


今でこそあの日のことを思い出すことは少なくなったものの、それでもたまに思い出しては男の人が怖くてたまらなくなったり、自分がとても汚いオンナなのではないかと不安にかられたりした。


そして今日。
大好きな真ちゃんさえも一瞬怖いと思ってしまった自分には心底ガッカリしたのだ。


あの日から何も変わっていないじゃないか。私はいつまでこうなのだろうか。どうしたら変われるのだろうか。そんな自問自答を部活が終わってからずっと繰り返してはみたが、足りない頭で導き出した答えはこんな荒治療くらいだった。



「っく・・・気持ちいいっ・・・」


消え入りそうなほど小さな声で漏れた真ちゃんの声を私は聞き逃さなかった。そしてその刹那、ぶわっと口の中にほろ苦い欲望が広がった。
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