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リンゴ

第8章 誠凛vs秀徳








さやは笠松の腕の中で大人しく座っている。


(な、な、なにやってんだ俺!
完全に間にこいつがいる事忘れてた!)


「す、すまん!」


「いいえ気にしないでください」



赤くなる笠松が面白いのか
笠松を見つめながらくすくすと笑うさや

すぐに腕をどけようと思ったのだが

動いた瞬間


ふわっとさやの香りがして

笠松はピタッと動きを止めた。


ん? と笠松を見つめるさやと
つい目を合わせてしまった。


妖艶でどこか凄みがあって

いつもなら女と目が合っちまったら
すぐ目を逸らすのに


なんか、逸らせねえ…


(香りのせいか…?
いや、わかんねーけど…

すげー綺麗だな…)



「笠松さん?」


「あ、いや、その…」



するとぐいっと笠松の腕が下げられ
さやは笠松と反対側へ引っ張られた

温かいぬくもりがさやを包み込む



「ちょ、笠松先輩…本当、勘弁っすわ…

この子俺のっすよ…」



顔を歪め、苦しそうに言う黄瀬


無理だったこれ以上は…

さやっちが笠松先輩に包まれているように見えて

嫌がらないさやっちが
また他の男にかっさらわれちまいそうで


こんなんしたらまたさやっちに
怒られるのはわかってるのに…




「涼太…」



ビクッとした

さやは笠松先輩を絶対気に入っている

邪魔すんなと言われるに決まっている


さやはふわりと笑うと
黄瀬の頭をそっと撫でた



「え…?ええっ!?
お、怒ってないっすか…?」


「…いつもなら怒っていたわよ
でも、なんでかしら…

いまは涼太の気持ちが嬉しいの」


「っ…なんすかそれっ
あー!さやっち大好き!」



黄瀬がぎゅとさやを抱き締める


(私も大人になったって事なのかしら…
それともやっぱり寂しい…?)


黄瀬の香りを感じていると



ブー -----------




「第2Q終了!これよりインターバルに入ります!」







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