第8章 誠凛vs秀徳
ピー -------
試合開始の笛がなり
ジャンプボールが投げられる。
どちらもタイミングを測りつつ
高く飛び上がった
「っしゃあ!」
ジャンプボールを制したのは火神
パスが回り、攻めに入る。
まずは第1Qを取る気の誠凛は
黒子のパスでアリウープを狙う
それに立ちはだかるのは緑間だ
「緑間っちカッコつけてるっすね」
「ふふっ確かに
初っ端からきてるわね」
茶化す黄瀬に微笑むさや
2人の雰囲気はまさしく恋人で
アウェイの笠松は思わずしかめっ面でコートを睨んだ
秀徳は緑間が弾いたボールで
すかさず攻めに入る。それを日向がブロック
両者とも未だ点が入らない
だがこの状況で緑間が決めた。
秀徳に3点入る
誠凛も黒子と火神の連携により
シュートを決める
「テツヤのバスケは
いつ見ても面白いわね
私も男だったら誠凛に入ったのに」
さやは笑いながらそう言った
黒子がいるだけで
チームは気持ちよくパスが回る
それだけで、やる気が出るのではないかと
さやは思った。
以前の帝光中のように…
「敵にとっちゃあんな厄介な相手はいねーけどな」
「そうですね
テツヤが敵ならいくら個人技で攻めても
大我がくるし
チームで攻めようものならスティール
厄介そうです」
くすくすと笑うさやに
笠松は思わずコートから目を離しさやの顔を見つめた
綺麗な横顔が美しく緩まり
先程とは違う、優しい笑み
「ちょっとー!
さやっちの俺らだけに見せる顔
見ないで欲しいっす!」
黄瀬はさやの顔を両手で隠すと
ぶーぶーと笠松に文句をつけた
さやは何事もないように
黄瀬の手をどかしコートを見ている
「うるっせえ!
いいから試合見てろ!シバくぞ!」
「あいたっ!ちょ、どこから殴ってんすかぁ!」
「笠松さん…見えない…」
丁度2人の間に挟まれているさやは
さやを抱え込むようにしてシバく笠松の腕で
まったくコートが見えなくなっていた