第7章 誠凛の実力テスト
いつの間にか
ナンパ野郎は消え去っていた
それでも俺はこの気持ちいい唇から
離れることが出来ず
熱い口内を犯し続けた。
「んんっ…ひゅ、がさんっ…んっ」
「なんだよ…ん…」
「ふぁっ…んっ…みんな…んんっ…見てます…んっ」
それを聞いて俺はバッとさやから離れた
周りを見ると
特に男が恍惚の表情でさやを見つめていた
あっぶねー
このまましてたら、俺…
「日向さん、凄く熱いキスするんですね」
くすりと笑うさやは
昨日見た妖艶な笑みで俺を見ていた。
っ…あー、もう1回してー
その笑う口を見てたまらなくなるが
なにせ駅前だ
クラッチタイムの解けた俺に
そんな事する度胸はなく
たださやを見つめた
「…キス、されるってわかってただろ
なんで…させたんだよ」
「なんででしょう
日向さんが気に入ったのかも」
「っ!…気に入ったってオイ
まだ、昨日会ったばっかだぞ…」
「誠凛の試合何度か見てますしね
かっこいい日向さんを知ってます
日向さんはなんでキスしたんですか?」
相手に言わせるようなずるい質問をしたら
逆に返されちまった
俺は…さやが好きなのか?
じゃあリコが同じ状況になったからといって
キスをしただろうか
…いや、しない…
さやは澄んだ目で俺を見つめる
言わなくてもバレてそうだが
昨日会ったばかりの奴に惚れる男だとも
思われたくねえ…
「…っつーかお前黄瀬は、いいのかよ」
自分で言っていて思い出した。
そうだ、こいつは黄瀬の彼女だった。
胸の奥が苦しくなる。
なんで、黄瀬の彼女なんだよ…
さやがフリーなら…よかったのに
「確かに涼太は彼氏です
でも、私は涼太だけのものじゃない」
「っな…!なんだそれ…」
唖然とした。
ポーカーフェイスでそんな事を言うさやは
それが当たり前の様で