第1章 出会い
寺島「とりあえず、ここ座ってね」
夏海「お、お邪魔します...」
私たちは寺島さんに演劇部の部室まで案内された。それにしても3人だけ、他の演劇部の人たちは帰ったのか...?
夏海「あの、他の部員が全然見当たらないんですけど...」
寺島「あぁ、今日はね、体育館のステージで練習なんだ。皆はもう練習に行ってるよ。」
───寺島さんは?練習大丈夫なの?
寺島「それでね、本題なんだけど...」
夏海「演劇部に入ってほしいと...」
美香「なんで!?なんで夏海が演劇部!?」
夏海「美香黙ってて、ちょっと待ってて」
美香「あ、ごめん←」
寺島「あのね、3週間後に公演会があるんだ。」
夏海「3週間...6月の頭ですか。」
寺島「そう。それでね、そこでやる演目は決まったんだけど1人足りなくて...大久保さんにお願いしたいんだ。」
夏海「わ、私にですか...?他にもいい人いるんじゃ...」
寺島「いや、君じゃなきゃ駄目なんだ。」
─────ドキッ
な、なんてことを言うんだこの人は...真剣な顔で...
寺島「あれ、顔赤いよ...大丈夫?」
夏海「だっ、大丈夫です!」
寺島「そう...?調子悪かったら言ってね。」
夏海「は、はい....」
やばい、顔赤くなってた?私が?
男の子になんて今まで興味を持ったこと無かったのに。恋なんて一切知らないのに。ちょっと、恥ずかしいじゃん...