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キミのとなりで ずっと【気象系BL】

第7章 誕生祝い to Masaki



「ありがと!じゃあ1匹釣ったら交代しようね!」
「うん」

………と言って、改めて釣り糸を垂らしたものの。

いざじっくり釣竿を構えていても、うんともすんとも言わないだけど!

なんで?
すぐ釣れるんじゃなかったの?

「きゃー!翔ちゃん!また釣れた!」
「すごい、カズ!」

隣からは賑やかな声がずっと聞こえてくるから、ニノは変わらず釣れまくってるみたいだ。

「ねぇ、智…釣れてる?」
「それが全然釣れないんだよね…」

ちょっと不安になって智に声を掛けてみたら、智も俺と同じだった。

試しに風ぽんと交代しても釣れなくて。
場所を移っても、竿を交換してみても、結果は変わらず…

「なんでニノばっか釣れんの?!」
「知らないよ。逆になんで釣れないの?」

あまりにも不可解で思わず聞いてしまったけど、ニノも不思議そうに首を傾げる。

そりゃそうだよね。
ニノに聞いたって分かるわけないよね。

でも本気で不思議なんだけど。
ここの魚が全部ニノの元に集まってるとしか思えない。

なんなの?この不思議現象…

「魚も嫌いな人が分かるんじゃね?」
「ええっ!俺、魚に嫌がらせされてるの?」

潤が適当なことを言うと、ニノは途端に怯えた顔をした。

いや、魚だってそんな命懸けの嫌がらせしないでしょ。

ってか、魚に嫌いな人を探知する特殊能力なんてないでしょ。

「大丈夫!嫌がらせなんかじゃないよ!」

翔くんは怯えるニノの頭を優しく撫でると、力強く言い切った。

さすが常識人!…と思ったのに。

「きっとカズの可愛さが魚を呼び寄せちゃうんだよ」

翔くんは真顔でそんなことを言い出して。

本気で言ってるのが分かるからコワいよね…

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