第4章 生徒会
「えっと…選挙なんですよね?俺じゃ落ちちゃうんじゃないかなぁ…」
「会長、副会長は選挙だね。それ以外は会長の指名だから、無理して選挙に出る必要はないけど…まぁ、二宮くんなら立候補したら当選確実だと思うよ」
なんで根拠もないのに自信満々で言い切れるんだろ?
でも指名制もあるとか言われちゃったら、これも断わる理由にはならない。
うーん…どうしよう…
「カズ、断ってもいいんだからね」
困ってたら翔ちゃんが助け舟を出してくれた。
翔ちゃんの顔を見たら少し落ち着いて。
頭から無理無理って否定してたけど、一度冷静になって考えてみようって思えた。
この人たちが俺を生徒会にって言うのは、要は翔ちゃんに生徒会長になってほしいからで。
俺は翔ちゃんを釣るためのエサみたいなもので。
決して気分の良いものじゃないけど。
まぁ、いいとして。
翔ちゃんはどう思ってるんだろ?
生徒会を断るのは俺と一緒にいるためだって言ってくれた翔ちゃん。
俺が一緒なら何にも悩まずに生徒会に入れる?
そしたら俺に土下座してまで翔ちゃんに戻ってきてほしいこの人たちも喜ぶ?
俺が首を縦に振るだけで、全部丸く収まるの?
でも自信がない。
俺に生徒会なんて務まるのかな…
俺には何の期待もされてないかもだけど。
もし本当に入るなら翔ちゃんの足を引っ張ることはしたくないんだよ。