第4章 生徒会
ニノの機嫌が直ってホッとしたのも束の間
「すみません、二宮先輩いらっしゃいますかー?」
またまた入口から大きな声が響く。
今日はやたらと後輩がやって来る日らしい。
でも…え?今ニノのこと呼んだ?
潤なら分かる。
内部組だから、さっきのカメナシくんみたいに部活なんかの後輩だっているだろうし。
あの見た目にあの性格だから、部活とか関係なく慕ってる子だって山のようにいると思う。
でもニノは高校からだし。
部活も委員会も入ってないから、直接関わりのある後輩なんていないはず。
現に今も、まさか自分を訪ねてくる後輩がいるなんて思ってないからか、ニノはほぼ無反応で。
「ニノー、呼ばれてるよ」
「え?今呼ばれたの俺?」
まだ教室に残ってた他のクラスメイトに声を掛けられて、驚いた顔で首を傾げた。
「二宮せんぱーい?無視しないでくださーい」
わざと無視されたと思ったのか、入口でおとなしく待ってる後輩くんがちょっと情けない声で再び呼び掛けてくる。
「本当に俺なの?」
ニノは首を傾げながら、入口を振り向いて
「だれ??」
ますます首を傾げた。
そこにいたのは俺も見たことのない2人組。
1人はニコニコと笑顔を浮かべた、ほわーんとした感じの子。たぶん声を掛けてきたのもこの子だろう。
もう1人は、対照的にニコリともしない。目付きは悪いし、制服は着崩してるし、髪の毛はツンツンしてるし。不良とまでは言わないけど…あまり周りにいないタイプだ。
何となく不思議な組み合わせに見えるこの子たちは一体何者で、ニノになんの用事なんだろう?