第4章 生徒会
「ごめん…よろしくね」
「任せてよ」
翔くんが申し訳なさそうな顔で頭を下げるから、明るく胸を叩いて引き受けた。
翔くんはとりあえず安心してくれたのかニコッと笑うと、またニノに向き直った。
「カズ、待たせちゃうと思うけどごめんね。待ち切れなくなったら帰っていいからね。でも待つにしても帰るにしても1人になっちゃダメだよ。絶対智くんと一緒に動いてね。出来たら潤とも2人きりにはならないでね」
せっかくニノが離した手を再び握ると、目をしっかり合わせて言い聞かせる。
ニノはうんうんと素直に頷いてたけど、最後だけ首を傾げて。
「潤くん?なんで?」
「なんでだよっ!」
ほぼ同時に潤もツッコミを入れた。
「俺には智がいるから、もしニノと2人になったとしてもなんもねーよ!」
ちょっ、どさくさ紛れに何言ってんのさ!
地味に恥ずかしいんですけど///
潤の発言にニノがチラリと俺を見る。
ほらー!!
ニノがニヤニヤしちゃってんじゃん!!
でも潤はニノの表情には気付かない。
「いつまでもニノに引っ付いてないで、早く行けよ!」
「あっ、おい、なんだよっ!」
力ずくで翔くんをニノから引き剥がして、ずるずると引きずって行く。
「なんだよじゃねーよ!岡田先輩待たせてんだろ!」
「そうだけど…」
「行くのが遅くなればなるほど、戻ってくんのも遅くなるだろ!早く行け!」
「うぅ…」
翔くんはぶちぶち言ってたけど、潤は正論を言ってるだけだから、言い返せなくなったみたいで。
「カズ、行ってくるね!なるべく急いで戻ってくるから!」
「いってらっしゃい♡ちゃんと待ってるから急がなくて大丈夫だよ♡」
引きずられていく翔くんに、ニノがニコニコと手を振る。
潤は翔くんを問答無用で廊下に放り出すと、扉をピシャリと閉めた。