第1章 出会い
ヒラ『痛っ…』
キヨ『どうした?!』
ヒラがこそばゆい声を出して座り込む。
それにキヨも私もビックリだ。
ヒラ『足が…』
キヨ『これは…捻挫か?』
『もしかして…』
キヨ『何か知ってんのか』
キヨが鋭い目付きで私を睨んだ。
その目はまるで、餌を見つけた獣のようだ。
私は少し怯えながらも言った。
『さっき…ぶつかっちゃった時の…怪我…ですかね…??』
ヒラ『…でも俺が分かりにくい所を歩いてたからぶつかっちゃったし、俺の不注意だし。少しずつなら歩けるから!』
キヨ『何言ってたんだよ。その足じゃ今日の企画出来ねぇだろ。唯一、お前の足が心配だし。』
ぁあ…。なんてことをしてしまったのだろう。
私はともかく、これからが大事な時に怪我を負わせてしまった。最悪だ。最低だ。代われるものなら代わりたい。
『ごめんなさい…!本当にごめんなさい!!!わたひのせいでぇっ!うっ…ぅう…』
今日は泣きたくなかったのに。申し訳なささと、自分への悔しさで涙が溢れでてくる。止まらない。
キヨ ヒラ『…』
キヨ『お前、なんて名前だ』
『あいず…ひいろ で…す ツっ…』
キヨ『ひいろ。お前、今日の生放送、ヒラの代わりに出ろ。』
ヒラ『!』
『え、えええ!!!??』