【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第1章 Happeningは運命の予兆
会話がひと段落したようで夜叉丸さんが「自己紹介!」と言うが、隣のつばさちゃんは未だにそわそわしている。ここは自分からと思い、緊張を誤魔化すように大きく息を吸い込んだ。
「みょうじなまえです。先日ガンダーラミュージックに入社しました。一生懸命頑張りますので......よ、よろしくお願いします」
少し吃ってしまって一気に顔が熱くなる。まぁ皆さんはこの容姿だし、緊張されるのには慣れてるだろう。続けてつばさちゃんも自己紹介をした。
「へぇー、Bプロスタッフ初の女の子じゃん!」
彼らの現場に女性スタッフさんは居ないらしい。やっぱりアイドルグループだからだろうか。色んな可能性を考えていると、その彼は身を屈めて丁寧に目線を合わせてくれた。真正面から向かい合わせになると更に顔の造形が綺麗で、言うまでもなくかっこいい。長髪に編まれた髪型もよく似合っていると思う。その上で元気そうな印象の男の人だ。距離感が近いあたり、社交的で親しみやすい印象もある。
「厄介なところに来ちゃったね。君たち」
次は水色の髪で色っぽい人が声をかけてくれた。彼はつばさちゃんの髪を一房掬い上げると、指先で遊んでる。そして、つばさちゃんの顔は火が出そうなくらい真っ赤だ。心臓は大丈夫だろうかと、かなり心配になる。
「トゥーンク!これはまた可愛いらしい方達ですね」
次にこちらに来たのは眼鏡をかけた知的な雰囲気の男性だ。眼鏡を取るとまた違う雰囲気で格好良いことが分かる。
「ふーん」
先ほどの可愛い人、ボブ風に綺麗に切り揃えられた暗めの髪色に一部にピンクのカラーが入っている。そんな彼は外見が可愛いだけでなく、好む食べ物まで可愛いらしい。チョッパチャロスを握る姿に確信した。やっぱり可愛いは正義だ。
「あれ〜なんか怯えちゃってる?大丈夫だよ〜♪」
あやしてくれたピンクの髪の彼は、そばかすと八重歯も似合っていて可愛いくて優しそうだ。そんな彼らを見つめながら、つばさちゃんの顔がますます赤くなっていく。本当に大丈夫だろうか。そちらをじっと見つめていると鋭い声が響いた。
「こんなちんちくりん達にA&Rなんか務まるのかよ」