【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第22章 Sweet Temptation
ルーカスが屍になってから、家の中は大変なことになっていた。
冷蔵庫の中のケーキは溶けていたし、IHは逆に加熱されすぎだし。なぜか部屋の窓も開かなくなっている。
これ......どうすればいいんだろう?落ち着く為にひとまず椅子に腰掛ければ帝人さんの叫び声が上がる。
「テレビが暴走してます!」
画面にはホラー映像?暉くんが以前やったゲームらしい。
無理......!
「お前、ビビってんだろ?」
「ひぃっ!」
突然、背後から声をかけられて変な声が出た。
「びっ、ビビってないです!剛士くんこそ顔色悪いですよ?」
「はっ、気のせいだろ?」
彼は平然を装っているらしい。ばればれだよ......。
ホラーゲームの映像から、マミリンのアニメ幻の回73話が流れる。幻の回だそうで帝人さんが興奮している。
こんな時まで、彼はマミリンにお熱だ。
ブレないな。
また暴走が始まって、その可愛い声がおかしくなると......一気にホラー感が。
「「ああーーっ!?」」
突然、真っ暗になる。
テレビも消えて欲しいのに、それだけは消えていない。
暗闇の中で、ホラーゲームの映像が......。
「怖くなーいー、怖くなーいー」
「なんだよ、ソレ!!」
唱えた呪文は剛士くんには不評みたいだ。
「心が綺麗じゃないから、きかない」
「お前、失礼なこと言っただろ?」
「違いましゅ!」
あ、噛んだ......。
頬をぐにぐにされていると、
「う、うわああああーー!!」
突然、テレビから悲鳴が聞こえる。
「「あああ!」」
思わず抱き合う私達。
「お、お前、怖いって認めろよ」
「こ、怖くないです!守ってあげましょうか?ほら、手出してください」
「い、いらねぇよ!」
彼は慌ててリモコンを手に取った。
電源ボタンを連打しているが、何故かテレビは切れないようだ。
ルーカスと連動してるからか。
「ルーカス、助けて!」
隣でニヤリと笑っている彼は無視しよう。
目を合わせないようにしよう。
「大丈夫?」
「ひっ!?」
肩を掴んで声をかけてきたのは増長さん。
「怖いの?」
「こ、怖くないです!」
「ふふっ、そうなんだ」
何故かキラキラの笑顔を向けられるけど......。