【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第22章 Sweet Temptation
「うわっ......コゲた」
キッチンに行くと増長さんが苦戦しているようだ。
フライパンの中では、餃子がコゲている。
なんだか可愛い。
「カズって意外と不器用だよね」
竜持くんの作るケーキは猫の形だ。
チョコレートケーキだから、黒猫ちゃんかな?
「竜持くんって......何でも出来ますね」
「そう?なまえもいっぱい食べてね」
「はい、楽しみです......美味しそう」
「僕はケーキより、なまえの方が良いけど」
腕を掴まれると、グッと顔が近づいてきた。
「お、美味しくないですよ?」
「美味しいよ。味見しちゃおうかな?」
そのまま、カプッと鼻を噛まれた。
「りゅ、竜持くん!」
刺激が、強い!
「ケーキ、冷蔵庫に!」
「そうだね。お楽しみは取っておかないと」
彼は悪戯っぽく笑って行ってしまった。
「はぁ......こんな所見られたくなかったな。手伝いだけって言ったのに」
こちらに来た増長さんが私の鼻をシャツでぬぐう。
「んっ......どうして賛成してくれたんですか?」
「はい、おしまい......だって喜んでたよね?」
私達が喜んでたから賛成してくれたのかな?
「ありがとうございます。手伝います!」
二人で協力すれば大丈夫!あっという間にひと段落ついた。
「ありがとう。みょうじさんは良いお嫁さんになるね。料理もお菓子作りも上手だから」
誰かのお嫁さんになれる日。
いつか、そんな日がくればいいな。
「いえいえ、これくらい普通ですよ。お嫁さん候補は美人で料理上手な人ですか?」
こちらを見つめる彼は満面の笑みだ。
「ううん。可愛いくて、料理もお菓子も上手に作れる子」
「美人より可愛い派なんですね。芸能界には沢山いるから、目移りしそうです......」
女優さん、モデルさん、アイドルの子達......。
「可愛いけど、綺麗でもあるかな?どうしてみょうじさんって、男だと健十みたいになるの?」
「え?ああ!私が増長さんならつばさちゃんをお嫁さんにします」
「澄空さんか......確かにいい子だよね」
「はい!可愛いのにしっかりしてて、優しいしのに、可愛いし、可愛い......?」
「ははっ、みょうじさんは澄空さん大好きだもんね」