【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第9章 All Together
「倫毘沙」
「北門さん!」
必死に走って来てくれたんだ......。
彼の息切れからそれがわかる。
増長さんのことを、心配して来てくれたんだよね......?
「良かった。灯り、持ってたんだね?」
「な、なに......どうしたの?」
普段なら感謝をするはずの増長さん......その表情は硬い。
「帝人達が出てきて、中は真っ暗なんじゃないかと思ってさ」
心配する北門さんに増長さんは背を向けて、私の手を握った。
「二人で見てくるから大丈夫。ちゃんと調べて戻るから」
「ま、増長さん!?」
北門さんをそこに残して、そのまま奥に進んで行く。
「だめだよ」
増長さんのもう一方の腕を北門さんが掴むけど、彼は気にせずに進んで行く。
増長さんに手を引かれながら前に進むけどーー
この状況......どうしよう!?
私が何か言うべき空気ではないことは、分かっている。でもこのままだと二人はもっと拗れてしまうんじゃ......?
「一緒に、行動したくない......!」
そう紡ぐのは増長さんの声で、北門さんの立場に立つと胸が痛い。
そんな事言われたら、傷つく。
きっと、傷つけたいわけじゃないのにーー。
「ごめん、ちょっと走るよ!」
「まっ、待ってください!」
手を引かれて半ば引きずられるように走り出した。