【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第87章 あなたの瞳に永遠を誓います......(最終話)
「全部が愛しい。愛しいけど、俺もなまえの目も大好きだから、なまえの瞳に誓おうかな。
愛してるよ、ずっと一緒に居ようね。
って、また泣く」
「ひっ、だって......」
抱き起こされると膝の上に乗せられた。
「俺が止めてあげる」
甘い声が聞こえて唇に柔らかいものが触れる。そのまま唇は目元に触れて涙をキスで拭われた。
「んっ......まって」
「ぷっ、真っ赤」
「だって、甘過ぎるんだもん」
「なまえ、俺と同じ時代に生まれてきてくれてありがとう。なまえが呼んでくれる度に自分の名前が好きになるんだ。だから、その声でもっと俺の名前を呼んでくれる?」
幼い頃から何も欲しがらない子。そんな私が欲しくて欲しくて堪らなかったのは、目の前の彼だった。出会った時から素敵な王子様。
平凡な市民。
そんな私には手の届かない存在。あろうことか彼は私を好きになってくれた。
私に気づいて......迎えに来てくれた。あんなに否定したシンデレラ。
でもこれは紛れもなく完璧なシンデレラストーリー。
彼が微笑みかけてくれれば、手を伸ばしてくれれば、
私は誰より素敵なお姫様に変身できる。
これからも数々の障害があるかもしれない。
それを二人の力で乗り越えて、沢山の愛情を注いで......この愛は育っていく。
楽しい時も辛い時も、命がある限りこの人を愛し続けよう。
えっと......命が失くなっても出来ることを探さなきゃ!
両手いっぱいの愛で目の前の彼を誰より幸せにしたい。
「うん、私はこれからも和南くんだけを愛してるよ」
「俺もなまえだけ愛してるよ。それなら、このままなまえを俺にちょうだい?」
「はい。えっと、どうぞ......貰って?」
「ふふっ、なに?その返し方」
「え、変かな......?」
「ううん、まぁ俺達らしいかも」
「うん!」
向かい合わせで繋がれた両手......この先もこの手を離さないと誓う。
『あなたの瞳に永遠を誓います......』
それは
───始まったばかりの運命の物語。
ーーENDーー