• テキストサイズ

【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います

第74章 必要な犠牲


「いや......離してください!」

状況は最悪......そんなことは分かってる。


両腕を掴まれると耳元で囁かれた言葉。


「大人しく抱かれたらデータは全部返してあげる」

その言葉に動きを止める。
一回我慢したら......取り返せる?


今の状況で夜叉丸さんに場所の連絡はできない。
力の差は歴然だし......どうせ逃げきれない。

それ以前に逃げたらダメだ!
保身に走れば写真は公表されてしまうだろう。


関係を否定した意味がなくなるし、彼にも......大好きな皆にも迷惑がかかる。


『沢山助けてくれた彼らに何ができる?』って前にも考えたよね。

事実にならない婚約は嘘にしないといけない。
それが出来ないと増長さんの......彼らのイメージが悪くなる。

マイナスな影響が沢山出ることなんて私でも分かるのにーー


嫌だ......彼との思い出を塗り替えないでほしい。 

ほんとに馬鹿だな。
例え思いが届かなくても、ずっと彼だけを思っていれたら幸せだったのに......。


本当の思いに気付かないフリをして、そちらを見上げて覚悟を決めた。


「物分かりがいいね」


早く終われ!
早く終われ!

大丈夫。
何も考えないで。


この先彼の隣に居るのは私じゃないし......これがきっと最後。
今まで彼がしてくれたことに対する......私からの最後のお返しだ。
/ 1163ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp