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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第9章 現世編(後編)



「なるほど、それで……って、何故学校に通っているのだ!?まさか人間としてこれから生活していくつもりでは無いだろうな!」

「違うよ!一護は元々喜助が目を付けてたの。霊圧が高くて、しかも御する事が出来ない彼を見守ってくれって頼まれて…。」

「……確かに、事実虚が狙っていたのはこの男だった。浦原め、何故こんな人間が居ると知っていて私に教えぬのだ…!!」

眉を寄せて顰めっ面をするルキアを見てゆうりは思わず笑った。血は繋がっていないがこんな表情は兄にそっくりだ。
ルキアの傷を治したゆうりは後に倒れていた遊子と夏梨の傷も治し、彼女らの部屋と思われる場所まで運びベッドに降ろす。それから懐に入れていた記換神機を取り出し彼女らの前でボタンを押した。ボンッ、と音を立てひよこの頭がびっくり箱を開けた時の様に跳ねる。…本当にこんなので記憶が改竄できるのだろうか。そもそも眠っている中で効果は有るのか…。疑問に残る所ではあったが、確認する手も無くひよこの頭を元に戻してから懐に仕舞った。
やる事を終えて外に戻ると、最後に残った一護を見下ろし顎に手をあてて首を捻る。見る限り特に怪我は無さそうだ。

「さて、一護はどうしようか。器子に戻して部屋に返していい?」

「あぁ…今ここでどうする事も出来ないからな。」

「浦原商店に連れて行っても良いんだけど起きたらびっくりしちゃうしね…よいしょっと。一護の部屋どこ?」

「2階だ、あそこの窓から入れる。」

ゆうりは死覇装を着た一護の身体を軽々と持ち上げれば道端に転がる肉体の上に死神となった彼を降ろし元の生きている人間へと戻した。そうして彼に肩を貸す形で強引に支えたまま、2階の窓へ飛び移る。一護をベッドに寝かせ、小さく息を着きルキアの元へ着地してから、半壊した彼の家を見上げた。

「ボロボロだね…直したらまずいよなぁ。」

「そもそも私達の姿は見えぬからな…もし直したとしても、通りかかった者は家が勝手に直っている様に見えるだろう。」

「…そのままにしておこうか。ルキアは早く喜助の所に行こう。今の姿じゃ何も出来ないでしょう。尸魂界にも帰れないし。」

「そうだな。まさか本当に彼奴に頼る羽目になるとは…。」

「あら、喜助は嫌い?」

「嫌いというか、胡散臭い。」

「ふふ、確かにね。」
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