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【リヴァイ】比翼の鳥 初恋夢物語【進撃の巨人】

第27章 翔ぶ


「ふぅん…」

ハンジは目を伏せているリヴァイの姿を少々不満そうに見つめていたが、ひとつ大きくうなずくと立ち上がった。

「うん、まぁそうだね! 確かにマヤ次第だ。ここであれこれ言っても仕方がないね」

リヴァイからエルヴィンに視線を移すと、にかっと笑った。

「もう行ってもいいかな? 執務が溜まっているんだ」

「あぁ、かまわない。解散だ」

「OK。ラドクリフ、行こう。君には花が、私にはモブリットが待っている!」

花と聞いて嬉しそうにしているラドクリフと連れ立って、ハンジは団長室を出ていった。

「ラドクリフのやつ…、一体いつ執務をこなしているんだ? 花の手入ればかりしているが」

ミケのつぶやきに、エルヴィンは笑って答える。

「アーチボルドがやっているのさ。ハンジのところも、ほぼモブリット任せだ。それはそうと本当にマヤが手伝わなくて、お前のところの執務は滞らないのか」

ミケの執務をマヤが手伝うようになってから、かなり効率よく順調に事が運び、書類のイージーミスはなくなり提出期限もきちんと守られるようになったため、エルヴィンは心配になってくる。ミケの執務が滞れば、しわ寄せは自身に来るのだ。

「あぁ、任せておけ。最大限に努力する。それに永遠にマヤがいない訳ではないんだ。執務に戻ってきたら、遅れていた分はマヤが魔法のように片づけてくれるさ。なにせ有能だからな」

「……それはどうかな。マヤが執務に戻るとは限らない」

「どういう意味だ?」

「言葉のままさ。レイモンド卿と幾日か過ごすことによって、マヤのその先は決まる。執務に戻るどころか、我々と顔を合わすこともなくなるかもしれない」

エルヴィンの言葉に、静かに聞いていたリヴァイの耳がぴくりと動く。

ミケは信じられないといった声でエルヴィンに言い返した。

「顔を合わすこともなくなるだと…? それはあれか、まさかマヤがレイモンド卿の申し出を受け入れると言いたいのか?」

「あぁ、そうだ」

「それはないと思うが」

マヤのリヴァイへの想いを知っているミケは、フンと鼻で笑った。


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