第2章 *倉持洋一 『彼シャツ』
貴方side
『うわっ、倉持!わざわざ待ってくれてたの?ごめん、ありがとー。』
「お、おう。」
『何そんな焦ってんの?...もしかして、覗いてた!?』
「覗いてねぇ!...なんでもねぇから、早く行くぞ。」
少しテンパりながらも歩き出す倉持を追いかけて隣を歩く。
「服、俺の部屋で乾かすか?」
『あ、うん。そうさせて。乾くまで学校居る。』
誰もいない倉持の部屋に入り、腰を下ろす。
『みんな自主練行ってるんだね。感心感心!』
「...おう。」
『倉持?どうした?』
「別に、なんでもねぇ...。」
歯切れの悪い倉持を不思議に思い、彼の目の前に移動する。
『なんか、さっきから様子が変だよ?風邪でもひいた?』
そう思い、彼の顔を見ると、ほんのり顔が赤く染まっていた。