第13章 涙。
試合は、凄く白熱してた。
大我と同じプレイをする涼太君は、大我よりもキレがあってキレイで、私は彼のプレイに魅了されてた。
でも少し違和感もあった。
自分だけのスタイル。自分だけ・・・。
彼は凄く自信に満ち溢れたバスケをしてる。
でも、自分と同等じゃない選手の事を少し見下してるようにも感じた・・・・。
涼太君だけがズバ抜けてて、浮いてるように思えた。
視線を誠凛に戻す。
彼らは皆で勝とうとしてる。
強い相手で大変なのに、皆楽しそうだった。
そんな皆が好きで、私も一緒にいたいって思ってマネージャーを始めた。
なのに、私はバスケの事もほとんど無知で、みんなに迷惑かけてばっかりで。
私って、ただお荷物になっちゃうだけなんじゃないのかな?
皆、お荷物に感じてるのかな。
そもそも、皆は本気で日本一を目指してる。
でも私は?ただ一緒にいたいだけなんて、ただのエゴでしかない。
周りから見たら、涼太君が浮いた存在にみえたように、私だけ浮いて見えるのかな?
涼太君と一緒にしてしまうのは失礼だよね。
私は、皆みたいに強い思いがない。
ましてや、さっきは勝てるのかな?なんて、チームを信じる事さえできてない。
私はマネージャー失格だ・・・
そう思いだしてしまうと、どうしようもない孤独感に襲われた。
スコアーを書いてる私の手が少し震えてた。