第114章 開花。
それからどれだけか・・・
私は征君に会いに行くのをやめた
でも、毎日会いたくて仕方なかった
頭の中では、征君が私に言ってた言葉ばかりが繰り返される
征君が私に向けてくれた笑顔
優しくてあたたかい手
心に響いてくる声
光に当たればキラキラと輝く綺麗な赤い髪
征君と離れるなんて・・・そんなの私には・・・もうできないよ・・・
「もう一度・・・」
もしかしたらあの時は怒っていただけかもしれない
もう一度謝りに行けば、もしかしたら許してくれるのかもしれない
征君はとても優しい人
だからちゃんともう一度謝ればきっと許してくれる
そんな甘い期待を抱き
私は征君の元へ急いだ
でも現実はそううまくはいかない
私が会いに行った先・・・・
私の元に訪れてくれたのは征君じゃなく
「赤司君・・・・・」